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ー解体工事で失敗しないために知っておきたい建物調査の必要性ー

なぜ解体工事の前に建物調査が必要なのか

解体工事というと、「建物を壊す作業」そのものに目が向きがちですが、実はその前段階に行う建物調査こそが、安全でスムーズな工事のカギを握っています。建物調査をおろそかにしたまま工事を始めてしまうと、思わぬ追加費用や工期の遅れ、近隣トラブル、さらには事故につながるリスクも高まってしまいます。解体工事 建物調査の必要性を理解しておくことは、施主側にとってもとても重要なポイントです。
解体業者は、現地調査を通じて建物の構造や劣化状況、敷地条件、周辺環境などを細かく確認します。その結果をもとに工事の手順や必要な重機、養生の方法、廃棄物の処理計画などが決まっていくため、調査が不十分だと見積もりと実際の工事内容にズレが生じやすくなります。まずは建物調査で何を見ているのか、その役割から整理していきましょう。

建物調査で確認する主な項目

建物調査では、次のような項目が重点的にチェックされます。
・建物の構造種別(木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など)
・築年数や劣化状況、増改築の有無
・敷地の広さや形状、前面道路の幅員
・隣地との距離、境界ブロックや擁壁の状態
・屋根材・外壁材・内装材などの種類
・ライフライン(電気・ガス・水道・下水・電話・インターネット)の引き込み状況

建物調査が解体計画の土台になる

こうした情報を整理することで、どのような工法を採用するか、どの重機が現場に入れるか、どの程度手作業が必要か、といった解体計画の大枠が見えてきます。特に、狭小地や住宅密集地では、重機が入れず手こわし作業が増えることも多く、調査結果が工期や費用に直結します。調査の精度が高いほど、後から「やってみたら難しかった」という理由で費用が増えるリスクを減らせるのです。

安全な解体工事のための事前リスク把握

解体工事は、高所作業や重機作業を伴ううえ、建物内部が老朽化している場合も多く、安全面のリスクが少なくありません。そのため建物調査は、「どこに危険が潜んでいるのか」を事前に洗い出す役割も担っています。特に古い建物や長期間空き家だった建物では、予想以上に構造が傷んでいたり、図面と現況が違っていたりすることもあります。

老朽化・劣化部分の確認

建物調査では、柱や梁、床、屋根などの強度や傷み具合もチェックします。すでに一部が傾いている、床が沈んでいる、雨漏り跡が広がっているといった場合、そのまま重機で一気に壊すと予想外の方向に倒壊する危険もあります。
事前に劣化の程度を把握しておけば、危険な部分から先に手作業で撤去したり、倒壊方向をコントロールするための支保工を入れたりといった対策が可能になります。結果として、作業員の安全だけでなく、隣家や通行人へのリスクも減らすことができます。

アスベストなど有害物質の有無

一定の築年数を超える建物では、屋根材や外壁材、吹き付け材などにアスベスト(石綿)が使用されている可能性があります。アスベストが含まれているかどうかは、見た目だけでは判断できない場合も多く、調査や分析が必要なケースもあります。
事前にアスベストの有無や量、場所を把握しておくことで、飛散防止対策や専用の保護具、適切な処分方法を準備できます。もし調査をしないまま解体してしまうと、粉じんと一緒にアスベストが飛散し、近隣住民を巻き込んだ大きな問題に発展する恐れがあります。安全な解体工事には、こうした有害物質の確認が欠かせません。

ライフライン・周辺環境と建物調査の関係

解体工事 建物調査の必要性を語るうえで、ライフラインと周辺環境の確認も重要なポイントです。電気・ガス・水道・下水などの配管やケーブルがどこを通っているか、どこで止水・遮断できるかを把握しておかないと、工事中の事故やトラブルにつながるからです。また、周辺道路の交通量や隣地建物との距離などの情報も、工事計画や近隣説明の内容に大きく関わってきます。

電気・ガス・水道の切り回しの確認

建物調査の段階で、電気メーターやガスメーター、水道メーターの位置と配管ルートを確認します。解体前には各ライフラインの停止手続きが必要であり、タイミングを誤ると工期が延びてしまうこともあります。
また、敷地の外にある本管との接続位置も把握しておくことで、誤って他の敷地の配管を傷つけるリスクを減らせます。特に古い住宅街では、図面通りでない配管が残っていることもあるため、実際の状況を目視で確認することが重要です。

道路状況と近隣建物との距離

重機やトラックが現場に出入りするためには、前面道路の幅や交通量、電線の高さなども事前にチェックする必要があります。道路が狭い場合は、小型重機での作業になり、工期が長くなることもありますし、搬出ルートに学校や病院がある場合には通学時間帯を避けて作業時間を調整するといった配慮も求められます。
隣地建物との距離が近い場合には、足場や養生シートの設置方法、解体の手順を工夫する必要があります。建物調査でこうした条件を洗い出しておくことで、近隣への影響をできるだけ抑えた解体計画を立てることができます。

見積もりの精度と追加費用を左右する建物調査

施主の立場から見ると、建物調査がどのように費用に影響するのかも気になるところだと思います。実は、見積もりの精度は建物調査の質に大きく左右されます。現地調査が甘いまま概算で見積もられた場合、着工後に想定外の工事が増え、追加費用が発生するケースが少なくありません。

調査内容が見積もりの根拠になる

しっかりした建物調査を行ったうえで作成された見積もりには、「なぜこの金額になるのか」という根拠が盛り込まれています。
・手作業が必要な範囲と理由
・使用する重機の種類と台数
・アスベストや特殊廃棄物の有無
・養生や交通誘導の必要性
こうした項目が丁寧に説明されている見積もりは、後からの変更や追加が発生しにくく、トラブルになりにくい傾向があります。一方で、現地調査が短時間で終わり、説明も少ないまま提示された見積もりは、最初は安く見えても、後から追加費用が重なり結果的に高くつくこともあります。

「思ったより大変でした」を防ぐために

解体工事でよく耳にするトラブルの一つが、「壊してみたら想定以上に大変だったので追加費用が必要になりました」というものです。もちろん、実際に解体してみないとわからない部分があるのも事実ですが、それを理由に何でも追加請求してよいわけではありません。
事前の建物調査で想定できるリスクをどこまで洗い出し、見積もりに反映しているかが、信頼できる業者かどうかを見極めるポイントになります。「この金額にはどこまで含まれていますか?」と質問したときに、調査内容を踏まえた具体的な説明が返ってくるかどうかをチェックしてみましょう。

信頼できる解体業者と建物調査を進めるコツ

解体工事 建物調査の必要性を理解したうえで、実際にどのように業者と付き合っていけばよいかも押さえておきたいところです。建物調査は、業者任せにするのではなく、施主側も一緒に現場を確認しながら進めることで、より納得感のある解体計画につながります。

現地調査にはできるだけ立ち会う

解体業者が現地調査を行う際には、可能な限り施主も立ち会うことをおすすめします。現場を見ながら、建物の履歴や増改築の有無、過去のトラブルなどを伝えることで、より正確な調査が行いやすくなります。
また、解体後の土地活用の希望(駐車場にしたい、将来建て替えたい、売却予定など)もこのタイミングで伝えておくと、基礎の撤去範囲や整地のレベルなどについて具体的な提案をもらいやすくなります。現地で一緒に確認することで、図面や写真だけでは伝わりにくい細かな部分も共有できます。

調査内容やリスクの説明をしっかり聞く

建物調査の結果、どのような点に注意が必要なのか、どんなリスクが想定されるのかを業者から説明してもらいましょう。
・老朽化が進んでいる箇所はどこか
・アスベストや特殊廃棄物があるか
・隣地との距離や境界の問題はないか
・ライフラインの撤去や切り回しに注意が必要な点はどこか
これらの説明を通じて、業者の経験や姿勢も見えてきます。「大丈夫です、問題ありません」といった抽象的な答えではなく、調査結果に基づいて具体的に話してくれる業者の方が安心です。

解体工事は、一生のうちに何度も経験するものではありません。そのため、施主にとってはわからないことだらけで不安を感じるのも当然です。だからこそ、建物調査の必要性を理解し、質問しながら一緒に計画を立てていくスタンスが大切になります。丁寧な建物調査を行う業者を選び、調査結果に基づいた解体計画を立てることで、安全性とコストのバランスが取れた、納得のいく解体工事につながっていくはずです。

2025.11.21